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~あなたの周りでも起こりうる医療過誤~

危険な心電図の見逃し

患者自身は身体に大きな以上を感じていなくても、心臓が危険な状態、またはその直前であるということは時々あります。「見逃し」というのは医療従事者にとって致命的なミスと言えるでしょう。

知人が務める病院で起こった出来事です。60代のある患者が朝から「胃が痛い」と感じ、年に1、2回、風邪を引いたり健康診断を受ける時に行っている病院へ行きました。医師の診察を受け、「冬だから胃腸炎も流行っているし、風邪かもしれませんね。薬を出しておきます。」という言葉を受け、「前回の来院からだいぶ期間が空いているし、一応心電図と採血だけしておきましょうか。結果は次回来院時に。」と勧められました。この段階では、胃痛と食欲不振という主訴から医師は風邪による軽い胃炎だと思っていました。

心電図は若い臨床検査技師が取りました。その心電図の結果には、軽度ではありますが心筋梗塞の兆候が見られたのです。通常、ここで緊急を要するような心電図が見られ、その検査後に診察なく帰宅する患者に対しては、医師の診察を再度受けるよう勧め、さらに医師へ報告するように教育されています。

しかし、経験の浅い臨床検査技師は前回の結果と比較することもなく、その兆候を見逃してしまい、そのまま患者を帰宅させました。患者は帰宅後に心筋梗塞により倒れ、その病院に緊急搬送されてきました。一命は取り留めたものの、遅れれば亡くなっていた可能性も十分にあります。

患者家族に看護師がいたため、これは見逃しによる医療事故ではないかと察し、病院側に説明を求めたのですが明確な回答が受けられなかったとして弁護士を通しての話し合いが設けられることとなりました。最初の来院時では採血(一般項目)の結果には反映されていませんでしたが、心電図の記録から、前回と比較すれば心筋梗塞の予兆とわかったのではないかというのがポイントとなり、最終的に病院側が非を認めました。