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大腸内視鏡検手術中の大量出血

2016/08/12

現在の医療現場では内視鏡治療によるがんの早期発見の有用性が認められ、多くの施設で取り入れられています。内視鏡は検査と同時に手術も行うことができます。しかし、その功績と同時に、医師の技術が要求される治療でもあり、技術に自信のない医師が手を出してはいけないものだと思うのです。

これは私が勤務していた病院で起きた医療事故です。小中規模の病院であるため、外科医は2名のみ。外科医といっても脳外科医は脳の手術、心外科医は心臓の手術というようにそれぞれの専門分野があり、日々その専門を磨いてるのが通常です。手術する権限はあったとしても、乳腺外科専門医が脳の手術を行えるかといったら答えはNOであるように、手術する権限と技術は全く異なるものです。その病院の医師は先代が亡くなって自分が病院を継いだばかり、どうにか実績を作って病院を発展させたいという気持ちが強かったように思います。そして、自分の専門外の手術にも手を出し始めていきました。

私は検査室で勤務していたので、最近やたらと緊急輸血のオーダーが多いと感じ、輸血理由が大体「内視鏡手術中の出血」であることに気が付きました。看護師達から噂を聞くと、その外科医が大腸の内視鏡手術中に患者の大腸を傷つけて出血させてしまっているのではないかという話でした。大腸の内壁は非常に薄く、湾曲しているので、食道や胃の内視鏡よりも難易度が高くなります。また、消化管には血管が集まっていますので、少しでも傷をつければ大出血につながります。

そんな中、その外科医はついに大腸内視鏡手術中に器具で傷つけ穿孔に至ってしまい大出血。そこから緊急輸血の手配をしましたが、出血性ショックにより患者は亡くなってしまいました。患者家族は「大腸ポリープで死ぬような病気ではなかったはずだ。これは完全に医師のミスではないか。」として弁護士を通して病院を訴え、現在裁判中です。

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