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~あなたの周りでも起こりうる医療過誤~

乳がんの見逃し

乳がんの早期発見ための検査には超音波検査やマンモグラフィがよく行われます。超音波検査もマンモグラフィも数値で出る検査ではなく、人の目で判断される検査なので、その検査には技術と知識、経験が必要とされます。超音波検査では、腫瘍の形状や性質を確認するのに優れた検査で、まだ手に触れる段階でない数ミリの腫瘍から発見することが可能です。
マンモグラフィでは、乳がんの初期症状によく見られる石灰化の発見に優れ、それぞれの検査に長所があります。

これは知人が勤める病院で問題になったケースです。ある40代女性の患者さんの乳がんが発見されたのですが、その時には腫瘍はすでに2センチに成長していました。また、脇のリンパ節への転移も確認されました。その女性は30歳を過ぎてから毎年その病院で健診を受けていましたが、腫瘤の存在は今回が初指摘でいままで問題なしで通ってきていました。

乳がんの癌細胞1つが1センチになるまでは約8~10年かかります。癌細胞は倍々に増えて行くため1センチから2センチに成長するまでは約1年弱~1年半です。この患者さんは脇のリンパへの転移も見られたので、数年前には既に数ミリの腫瘍が、昨年の健診時には1センチの腫瘍が存在していたことが疑われました。

乳腺の超音波検査では、良性の所見であっても5ミリ以上は報告をあげます。腫瘍の場所は、乳頭(乳首)の真下の深部で、その女性の乳房が大きめだったという情報から、見逃しやすい場所であったことが伺えました。恐らく、今までの健診結果も問題なかったことも検査担当者の意識にあり、さっと全体を見て「問題なし」で終わっていたのではないかと考えられます。

患者が医療関係の知人に、自分の治療について相談した際に、「それは見逃しだったのでは?」と指摘されたことから、患者は医療事故ではないかと弁護士への相談をしました。しかし、今までに腫瘍が写っている検査画像がないことや、検査精度の限界という事情も含まれるため、これを立件するのは非常に難しいそうです。